Business Issues, Cloud

クラウドはトレンドなのか、ビジネスチャンスなのか、それとも絶対不可欠な要件なのか?

Blog-post by,
HP Blogger
,

ここかしこでクラウド・コンピューティングの話題が盛り上がりを見せているが、まるでクラウドがコスト削減からアジリティ向上に至るあらゆる問題の解であるかのようだ。現実は一体どうなのか。そして、なぜCIOはクラウドにフォーカスしようとするのであろうか。次に、クラウドとは何なのかをここで考えてみたい。CloudSourceブログで、私はビジネス視点から見たクラウドに関する一連の考察をほぼ終えようとしているが、その考察のハイライトをまず皆さんと共有したい。ご興味があれば詳細は個別に討論することにしよう。

まず、昨今のビジネス環境を見てみよう。企業が今日直面しているメガトレンドは何だろうか?私は通常、メガトレンドを5つに分類している。

最初に、世界の人口動態が変化していることだ。人類史上初めて都市部の人口が農村部の人口を上回った。中流階級が急速に拡大し、人口高齢化が進んでいる。結果、健康への意識が高まり、多様なライフスタイルへの関心が高まっている。人々のこうした意識変化は、人々の企業に対する期待にも変化をもたらしている。

2つ目は、ビジネスのグローバル化である。世界のあらゆる場所で競合が発生し、企業は以前にも増してグローバル競争に迅速に対応することが求められている。

3つ目は、ソーシャル・メディアである。ソーシャル・メディアは、新しい“パブ・ディスカッション(オープンな居酒屋談義)”の場を提供しているが、企業にとっては、商品、サービスに対する消費者意識を把握できる素晴らしい方法となっている。ソーシャル・メディアは、アイデア溢れる夢のような宝庫である。既に利用可能な解析ツールを使って、マーケットのインテリジェンスを徹底的に解析することができる。つまり、先端企業は、自社の差別化方法を知るための優れた手段を得られるのである。

4つ目は、モバイル化である。モバイル化はますます進み、もはや誰もが常時接続されていることが当たり前になっている。この新しい社会現象を足がかりに、企業は企業運営の改善、商品の改良、顧客との新しいインタラクションの創造に取り組むことができる。

そして、5つ目のカテゴリが、持続可能性である。多くの国、企業、消費者にとって最重要課題となっている。これは、差別化を生み出すもう1つの可能性である。

このメガトレンドのもとに、企業は、よりアジャイルでより即応力のある企業への転換を目指しているが、こうしたアジリティこそが今日の不透明な市場環境で特に重要であると言える。企業がこの転換を成し遂げるには、自社の市場、顧客、競合、パートナー企業等をより深く理解する必要があるが、当然、企業はこれを低コストで行い、可能な限り多くの設備投資を節減したい。この現状からCIOが直面していることは、一層柔軟なインフラを提供しながら、絶えず変化するビジネス要件により迅速に応えることだ。これこそが、クラウドが登場した背景である。クラウドは、OPEXベース、つまり運用コストとして、必要なインフラをより低コストで提供すると考えられている。

今後5年後にベビー・ブーマー(団塊の世代)が退職を迎えると、企業のビジネス部門、IT部門は、異なったコミュニケーション・ツール、コラボレーション・ツールを期待する新しいデジタル世代のワークフォースを迎えることになる。現に、CloudSourceブログの記事を書き終えたときに、インターネットが若い世代の脳の働き方を変えるかもしれないという興味深い研究を見つけた。この研究の是非をここで討論するつもりはないが、1つ指摘したい事がある。それは、新しいビジネス世代は違ったツールを既に今日、期待しており、こうした期待は高まる一方であるということだ。IT部門はこれに備え、ビジネス部門が必要とするものの提供を開始する必要がある。

結果、CIOは自らの役割を全く別の角度から捉える必要がある。私はこの新しいアプローチを“戦略的サービス・ブローカー”と呼んでいる。つまり、CIOには多様なソースから多様なサービスを調達してこれをビジネス部門がすぐに利用できるようにする責任があるということだ。このために必要なものは以下の通りである。

  • ビジネス部門との適切なガバナンス: ビジネス・ニーズを把握し、優先順位付けする
  • 調達チーム: CIOのサービス調達先(従来の調達環境、固有のプライベート・クラウド、または外部のプロバイダー)の選定を助ける
  • 柔軟なプラットフォーム: 実際にサービスをどこが提供するかにかかわらず、サービスを一元的に提供できるようにする

クラウドの時代は既に到来している。この先クラウドの呼称は変化するかもしれないが、「企業または外部プロバイダーが所有する柔軟な環境で、サービスを実行する」というクラウドの基本コンセプトは既に確立されたものとなっている。企業にとって、クラウドは変化する顧客ニーズにより素早く対応するための1つの変革チャンスである。IT部門にとってこの選択肢は次のいずれかである。ビジネスが求める柔軟性とアジリティを提供するか、あるいは、レガシー・システムを運用し続け、新たな要件の大半を見過ごすか。ここで2つ目のレガシー・システム存続のシナリオを選択した場合、1つの疑問は未回答のままである。企業の全体的なセキュリティとコンプライアンスに誰が責任を負うかという疑問であるが、それは全く別の問題だ。


Discussion
Would you like to comment on this content? Log in or Register.